鹿島紀行

　撮影日：平成27年3月25～26日

　鹿島紀行は、鹿島根本寺住職の仏頂和尚の招きに応じて、1687年8月に曾良と宗波を伴い、木下街道を北上し、布佐から船で利根川を下って、旅した時の記録だそうです。
　紀行の文中には、桃青の名で詠まれた芭蕉の句が７句掲載されていますが、それ以外にも詠まれた句があるこので紹介します。◆印

長勝寺（潮来市）

　◆旅人と　吾が名よばれむ　はつしぐれ

根本寺(鹿嶋市)
　月はやし　梢は雨を　持ちながら

令和3年2月22日撮影

根本寺(鹿嶋市)
　寺に寝て　まこと顔なる　月見かな

令和3年2月22日撮影

鹿島神宮(鹿嶋市)
　この松に　実生えさせし　神の秋

平成28年3月8日撮影
　刈りかけし　田面の鶴や　里の秋
　賤の子や　稲摺かけて　月を見る
　萩原や　一夜はやせど　山の犬
　芋の葉や　月待つ里の　焼畑

鹿島神宮(鹿嶋市)
◆枯枝に　鴉のとまりけり　穐の暮

息栖神社
　◆この里は　気吹戸主の　風寒し

　芭蕉は、鹿島に一週間ほど滞在したようです。
◆印は、鹿島紀行に掲載のない句ですが、滞在中に色々な場所を訪れているかもしれませんので、少し調査してみたいと思います。

市川市「泉養寺」

平成28年7月19日

　えがおの湯矢切店の近くに芭蕉塚があるというので、入浴前に寄りました。

　ここには、寛保３年（1743年）の芭蕉50回忌に俳人の田中千梅が造立した芭蕉塚がある。これは、房総で一番古い芭蕉塚であり、この寺が、芭蕉庵のあった深川から移転してきたことに由来する。

　泉養寺ＨＰより

成田市「楽満寺」

　貞享５年(1687年)10月から翌年４月まで、関西方面を旅した際、吉野川上流にある「西河の滝」で詠んだ句です。

　鹿島紀行と関係がありそうかと思って訪ねてみましたが、鹿島紀行は、同年の８月ですから、芭蕉一行がここへ立ち寄った訳ではありません。左側に滝のようなしたたりが見えるので、こじつけですね。

平成29年8月20日

西小岩一人旅の会